The Hunting Party (2014/06/13) Linkin Park ★★★★☆ Amazonで詳細を見る |
アメリカのロックバンド Linkin Park の6枚目のオリジナルアルバム。
クラシカルなメロディを多用する壮大なオルタナティブロックというサウンド路線に変化はないが、エレクトロニカ色が強い『A Thousand Suns』、『Living Things』に比べ、ラウドにかつ原始的なサウンドとなったのが本作である。しかしながら、そのラウドネスはメタリックであった『Hybrid Theory』や『Meteora』とは対照的に、ハードコアパンク的である。
また本作は、Brad Delson と Mike Shinoda というメンバー内でのプロデュースであり、前3作を担当したプロデューサー Rick Rubin はクレジットされていない。
Rick Rubin: 広範なジャンルを扱うが、ヒップホップのプロデューサーとして特に有名。Beastie Boys、Public Enemy、Red Hot Chili Peppers、Rage Against the Machine、Lady Gaga、Eminemなど。【Wikipedia: Rick Rubin】
The Hunting Party
1. Keys to the Kingdom
★★★☆☆【YouTube】 【歌詞和訳】
本アルバムを特徴づけるようなシャウトで幕開ける、壮麗でソリッドなハードコアパンク。
2. All for Nothing (feat. Page Hamilton)
★★★☆☆【YouTube】 【歌詞和訳】
ノイジーなギターサウンドをバックグラウンドに、安定感のあるラップと Page Hamilton のコーラスが遷移していく骨太なラップロック。
Page Hamilton: オルタナティブメタルバンド Helmet のヴォーカリスト兼ギタリスト。【ウィキペディア:Helmet】
3. Guilty All the Same (feat. Rakim) (1st single)
★★★★★【Music Video】 【Lyric Video】 【Acapella】 【Drums only】 【歌詞和訳】
ラウドに仕上げられたレトロなヴォーカルメロディ、クラシカルなメロディをなぞるファストでノイジーなギターサウンド、音楽の歴史をラウドに再構築した壮大なラウドロック。
4. The Summoning
【YouTube】サンプリングとノイズのインタールード。
5. War
★★★☆☆【YouTube】 【歌詞和訳】
エフェクトのかかったシャウトで駆け抜けるシンプルなハードコア。
6. Wastelands (3rd single)
★★★★☆【Lyric Video】 【YouTube】 【歌詞和訳】
シノダのラップとチェスターの伸びのあるヴォーカル交互に転換していく標準的な構成ながら、エッジが効いたギターサウンド、空間的広がりのあるドラムサウンドなど、そのサウンドクリエートの緻密さを感じさせる完成された楽曲。
7. Until It's Gone (2nd single)
★★★★☆【Music Video】 【Lyric Video】 【歌詞和訳】
ノイジーでありながらも美しいエレクトロミュージックと透明感のあるサウンド、そしてエモーショナルに歌い上げるチェスターのヴォーカルサウンドから構成された楽曲。
そのサウンドは、前2作『A Thousand Suns』、『Living Things』の延長に位置付けられる。
8. Rebellion (feat. Daron Malakian) (4th single)
★★★★☆【Lyric Video】 【歌詞和訳】
Daron Malakian 起源のうねるようなギターリフに、古典を包含した Linkin Park サウンドがクロスオーヴァーしたオルタナティブメタル。
Daron Malakian: オルタナティブメタルバンド System of a Down のギタリスト。
9. Mark the Graves
★★★☆☆【YouTube】 【歌詞和訳】
分厚いギターサウンドにドライブされ、エモーショナルに歌い上げられるミドルテンポのロック。
10. Drawbar (feat. Tom Morello)
【YouTube】寂寞感を感じさせるサウンドから、もの悲しいピアノサウンドに遷移するインストゥルメンタル。
Tom Morello: ミクスチャーロックを代表する Rage Against The Machine のギタリスト。
11. Final Masquerade (5th single)
★★★★☆【Music Video】 【Lyric Video】 【歌詞和訳】
『A Thousand Suns』の『Iridescent』、『Living Things』の『Powerless』のような、ドラマティックかつ情感を込めて歌い上げられるバラード曲。
12. A Line in the Sand
★★★★★【YouTube】 【歌詞和訳】
静寂のオープニング、それを砕く高圧力なギターリフ、懐かしいメロディをなぞるマイクシノダの落ち着いたヴォーカルサウンド、ラウドなチェスターの歌声、本作品を象徴するそれらのサウンド全てが組み込まれた長大な楽曲。
感想
本作のような、初期のニューメタル的でないラウドな Linkin Park が聴きたかったという気持ちはありました。確かに本作には、原始的なサウンドでありながら壮大で、また極めて緻密にサウンドクリエートされているという、Linkin Park だからこそ成し得たサウンドがあります。
しかしやはり、メインのメロディの良さが足りないと、それが惜しいという気持ちが大きいです。
私としては、もう一作この路線の作品を聴きたいと思っています。
今度は天から授かったような極上のメロディを持った壮大な Linkin Park のハードコアを。
関連情報
アルバム名 | The Hunting Party |
アーティスト名 | Linkin Park |
発表 | 2014/06/13 |
評価 | ★★★★☆ |
メンバー | Chester Bennington, Joe Hahn, Dave Farrell, Mike Shinoda, Brad Delson, Rob Bourdon |
プロディーサー | Brad Delson, Mike Shinoda |